私立高校の入試まであと数日、公立高校一般入試まで1か月ほどと迫ってきました。今回のブログでは、公立高校一般入試の国語について、傾向や平均点をまとめてみたいと思います。受験生や、来年以降に高校受験をされる方は是非参考にしてください。
まずは各大問ごとに傾向をまとめてみます。
大問1・大問2 複数の文章を読み取る読解問題
滋賀県の公立高校入試の国語では、大問1・大問2共に評論文と、その内容に関連した資料や話し合いの様子から読み取る問題になっています。
例えば2021年度の大問1は
次は、「読むと書く」ということについて書かれた【本の一部】と【資料】です。これらを読んで、後の1から5までの各問いに答えなさい。
同年度の大問2は
まさみさんたちは、次の【本の一部】を読んで、表現の特徴について【ホワイトボード】にまとめ、話し合っています。【本の一部】、【ホワイトボード】、【話し合いの様子】を読んで、後の1から4までの各問いに答えなさい。
このようになっています。
大問1と大問2が同じ形式で出題されるのは珍しい傾向です。またその中でもただ評論文を読むだけではなく、複数を読み比べて正解の箇所を探す作業が必要となるため、対策なしでは太刀打ちできない癖の強い問題といえます。高得点を取るためには慣れが必要です。
そしてもう一つ特徴的な傾向として、記述問題の割合が非常に高いです。ほとんどの年度で半分以上が記述から得られる点数になっています。また、理科や社会の入試問題にも記述が多めで、滋賀県の公立高校入試ではとにかく書くことが求められているといえます。
大問2の最終問題は毎年必ず「原稿用紙の使い方に従い、百四十字以内で書きなさい。」という問題です。百四十字と同試験の中では最も記述力が試される問題ですが、求められる内容は「あなたの考えを書きなさい。」「資料の内容を参考にしてまとめなさい。」など、年度によってバラバラです。年度によっては、内容が極端に逸脱していなければ点数がもらえるような簡単な問題になっていることもあるので、記述が苦手な人もとりあえず問題を読んで考えてみましょう。
このような傾向から、小説は出題される可能性が限りなく低いです。詩は本文の中に引用されることで時々出題されることがあります。
大問3 漢字・文法・古典など
問1で漢字の書きが5問、問2で漢字の読みが5問、問4で古典の問題が2,3問出ます。問3のみ文法や筆順などで年度によって変わります。
漢字の読み書きはほとんどが教科書レベルなので、定期テスト勉強の際に同時に覚えることができれば理想です。
そして古典の問題ですが、非常に簡単です。
簡単といっても、誰でもノー勉でいけるぜ!というほどではなく、中学で習う古典の初歩的な内容が問われるということです。
つまり古典のメインの学習である長文読解は入試には出ないということです。古典から得られる点数は多くても6点しかありません。そのため中学での古典はほとんど現代文のついでのような扱いになってしまい、滋賀県の学生の多くは古典の基礎が固められないまま高校に入り、莫大な量の古典の学習に苦労してしまいます。
少し主題とそれてしまいましたが、このことはぜひ把握していただきたいと思います。
この大問3から得られる点数は満点で26~27点です。記述問題が基本的にないので配点は少し低めです。とはいえ読解が苦手で大問1と大問2に時間がかかってしまう人は、最後に焦って大問3を解くよりも、先に大問3を解くことも立派な戦略になります。
滋賀県公立高校一般入試国語の平均点
ここ五年間の平均をまとめると、以下のようになります。
年度 | 平均点 |
2021 | 60.4 |
2020 | 47.7 |
2019 | 59.6 |
2018 | 58.6 |
2017 | 52.3 |
2020年度以外は比較的高い水準で推移しています。2021年度の60.4点はかなり高いので、2022年度は難化が予想されますが、2018-19年度のように2年連続で高く推移したこともあるので断言はできません。
平均点が高いということは、苦手意識がない人は安定して一定の点数を取りやすいということです。
逆に国語が苦手な人は平均点の高さの割には点数が低い状態になってしまい、不利になります。
また国語を得意科目にしている人には、周りとの差が付きにくくなってしまい不利になってしまいます。例えば平均点が60点を超えている2021年度でも、90点以上を取れている受験生は1%ほどしかいません。上位高校を目指す方であれば、得意教科だからと後回しにするのではなく、まだ更に高い点数を取って差をつける余地があるということです。
まとめ
以上が滋賀県公立高校一般入試 国語の傾向・平均点のまとめになります。
大問1と大問2の出題形式の癖の強さ、古典の問題数の少なさは大きな特徴です。
国語に苦手意識がある方、国語の点数を伸ばしたい方は是非当塾の体験授業で「読解の法則」を学んでいただければと思います。これだけでなんとなく解いていた国語の読解が大きく変わります。
過去問は京都新聞様のサイトよりダウンロードできます。
https://www.kyoto-np.co.jp/list/corporate/high_school_exam
各問の正答率などのデータは滋賀県教育委員会様より閲覧できます。
https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/nyuushi/high/senbatsu/105597.html