滋賀県からトップを目指すには
本日の記事では、滋賀県から東大・京大・旧帝大などの難関国公立大学を目指すにはどの進路を選ぶべきなのかについて考えていきます。県内外の各校の実績から考えた記事です。あくまで「最難関校を目指す場合」ですので、今回紹介する学校を受験するレベルに達していないといった個人の学力は考慮しないものとします。
各校の進学実績を見ると、選択肢は2つに絞られます。一つは、京都の小中高一貫私立の洛南中学校・高等学校から難関国公立大学を目指すルートです。
もう一つは多くの滋賀県民が知っているであろう膳所高校から目指すルートです。
先に言っておくと高校受験の時点では膳所高校一択で、洛南は選択肢には入りません。理由は後程ご説明します。
またどちらも大津や草津など湖南からは通いやすいですが、これら二校に通いにくい地域の方は、最難関大学を目指すのであれば居住地域から通える偏差値の最も高い高校をお勧めします。(例:長浜や醒ヶ井から通うなら彦根東高校)
それでは、洛南と膳所の二校の主な大学への進学実績を並べてみましたので、見ていきましょう。
洛南 | 膳所 | |
東京大学 | 26(19) | 2(2) |
京都大学 | 70(51) | 47(25) |
北海道大学 | 7(4) | 6(2) |
東北大学 | 0(0) | 3(1) |
名古屋大学 | 1(1) | 6(3) |
大阪大学 | 21(13) | 51(35) |
九州大学 | 2(2) | 4(4) |
一橋大学 | 1(0) | 1(0) |
東京工業大学 | 1(1) | 2(1) |
滋賀医科大学 | 6(3) | 20(17) |
京都府立医科大学 | 10(6) | 1(1) |
奈良県立医科大学 | 6(5) | 0(0) |
以前の年度や他大学への進学実績は各校の公式サイト様からご覧ください。→洛南/膳所
洛南高校には東大合格者数がかなり多いですね。膳所高校の進学実績は滋賀県内の高校ではトップなのですが、数字だけで見ると洛南の方が良いように見えます。ですが、単純比較はできないので注意してください。なぜなら洛南の上位大学合格者は殆ど中学受験からの内進生が主になっていると考えられているからです。
中学受験を考えているなら洛南
洛南学園には小学校・中学校・高等学校がありますが、現実的に滋賀県から通えるようになるのは中学からになります。
令和4年度 入学試験状況について
(中略)
地域別状況
滋賀県 出願者数 66 合格者数 24
洛南高等学校附属中学校 入試情報
上記より、1学年で24名が滋賀県から洛南中学校に通っていることになります。年度によって大きく推移することは無さそうです。24名と聞くと少ないように感じられるかもしれませんが、人数も大事ですが、「滋賀県から洛南に通えている人がいる」という事実もまた大事でしょう。私の居住地域である近江八幡からも洛南に通う中学生は実際いましたし、大津方面の方はなお通いやすいはずです。京都・滋賀以外の地域からも多く通っている人はいます。(あまり遠すぎると厳しいですが)
中学受験においては滋賀県で通える範囲では最難関の学校ですので、親と子ども双方に高校受験とは比にならない準備が必要にはなりますが、進学実績は膳所高校よりも良いと断言してよいのではないでしょうか。滋賀県から旧帝大や医学部などの難関大学を目指すには最も環境が良い学校と言えます。
これは中高一貫校共通の特徴でもありますが、中高6年間での無駄のないカリキュラムは、高校進学で勉強量が一気に増えてしまう公立高校進学校の3年間の詰込み型のカリキュラムと比べると、生徒としても無理がなく安心できるものです。
なぜ高校受験では洛南が勧められないか
最難関大学を目指すうえで高校受験で洛南が選択肢に入らないのは、中学受験組と違うコースに入ることになるからです。中学受験で洛南に入学した生徒は、中学のうちに高校の内容を先取りして、高校では難関大学を目指す「空パラダイム」コースと呼ばれる上位コースに編入されます。高校受験組の大半は私立難関大学を目指した「海パラダイム」コースに編入され、カリキュラムは全く違うものになります。高校入試の成績上位数十名は空に入れますが、高校の内容を中学のうちに先取りした内部進学生と競い合うのは厳しいように思いますし、最初からその数十枠を目指すのはお勧めできるものではありません。
高校受験においての洛南高校は難関公立高校の併願校という立ち位置になっています。それでも偏差値帯も普通の私立高校よりは群を抜いて高く、地方国公立・難関私立を目指せるレベルの高い学校であることに変わりはありません。
高校受験の段階なら膳所
膳所高校は滋賀県大津市に位置する、言わずと知れた滋賀県ナンバーワンの偏差値の学校です。高校受験の段階で難関国公立や医学部を目指すなら、まず第一に候補に挙がります。
校風としては比較的自由で、行事にも全力投球な学校です。
ただ、一つだけ注意していただきたいのは、「お金がないから公立の学校に行かせたい」という考えから膳所高校を選ぶのは少し危険ということです。
公立に通う高校生の勉強面での出費の多くはやはり塾・予備校です。大学受験に際して大半の学生は塾・予備校に通うことになり、そこで結構とんでもない額の授業料を取らされてしまうからです。高3だと年間で100万を超えてしまうこともあります。私は越えました。また、膳所高校をはじめとしたトップ校では浪人が学年の半数を超えることもあり、このような最難関高校では浪人が前提というような考え方が当たり前になってきます。浪人になると1年間(もしくは2年以上)無職になるわけですから、やはり出費は厳しいものがあります。
ちなみに浪人が多いのは、旧帝大や医学部などの難関大学を目指せるレベルにある高校では普通のことです。どの中学校や高校を選ぶにしても最難関大学を目指すのであれば受験に対しての出費は避けられません。
まとめ
滋賀県から旧帝大や医学部などの最難関大学を目指すなら、中学受験をするなら洛南、高校受験なら膳所を目指しましょう。滋賀県民はとりあえず膳所を選びがちですが、進学実績を見ると洛南の方が優れていますし、選択肢としては大いに考えられます。また、これらの学校に通いにくい地域の方は、通える範囲で最上位の中学校・高校を第一目標にしてみてください。
また前提としては、以前記事にした自習する力と彦根東、守山、石山レベルに合格できる学力があって初めて、難関国公立大学合格を現実的な目標として置けます。各校の合格実績を参考にしてみると、これらの学校への合格が厳しければ最難関大学の受験自体諦めざるを得ません。
個人によって向き・不向きは違いますし、私は生徒の適性を考えずに合格の可能性があるからとりあえず上位校を受けさせるという考えには反対派です。例えば地元の公立中学校の環境や、自習をする力があるか?など、様々な要素によって選択肢は変わってくるものだと考えています。全て「目指せる学力・環境があるならば」という前提の記事です。ご家庭の事情によって変わってしまう要素は様々あるので、あくまで一般論の一つとしてご参考になさってください。