音読は最も気軽にできる勉強の一つ

勉強といえば机に向かって問題集を解くことをまず想像なさる方が多いと思います。もちろん最重要な勉強法です。ただそれよりも手軽にできるのが音読です。

個人的には、勉強に行き詰って何をすれば分からないときはとりあえず音読をする!くらいの気持ちで良いと思っています。それほどに手軽ながら学習効果の高い勉強法です。

音読のメリットは主に3つあります。

  • 文章の大まかな流れを覚えることができる。
  • 分からないワードを把握できる。
  • 勉強のやる気がない時でも取り組みやすい。

それぞれ、詳しく見ていきます。

文章の大まかな流れを覚えることができる

音読が最も効果を発揮する科目は国語と英語です。音読によって最も鍛えられるのは「読解力」です。小学校の国語の宿題で教科書の本読みが出されることがありますが、あれは音読の練習と同じです。要は声に出すことで、文章が自然と頭に入ってきて、繰り返すうちに速読ができるようになります。

音読には様々なやり方がありますが、まずは区切って読んでいきましょう。国語(現代文)であれば句読点です。

私が小学2年生の時の学校の国語の授業で教わったことで、今も意識していることがあります。「マル(。)は2秒、てん(、)は1秒止まってから読む」ということです。なぜこのようなことを中学、高校でもするべきかというと、このように抑揚をつけることで、ただ早く読むよりも文章の内容が自然と頭に入ります。「△△である。だから私は□□だと考える。」「××だ。しかし〇〇である」というように、国語の文章を読む際に重要な筆者の主張や逆説表現などは、前後のつながりがあってこそ明確に分かりやすくなります。ただ早く読むだけでは、そのつながりが分かりにくいのです。読み慣れてきたら、マルとてんの止まる間は短くしていきましょう。

逆に言えば、「文章の大事なところを意識して読みなさい!」だけでは何を意識したらよいか分からず、逆効果ということでもあります。

古文、漢文と英語の長文では、意味のかたまりごとに区切って読んでいくのが良いです。その意味のかたまりが分からない!という場合もあると思いますので、全く分からない段階から始めるのであれば、文章の音読以前に単語・品詞を覚える練習からしましょう。その段階でも音読は有効な勉強法です。

特に古文の文章に慣れてくると、自然と漢文もできるようになってきます。ある程度の法則は一緒なので、あとは返り点など漢文固有のものを覚えれば書き下し文や返り点の打ち方はできるようになります。

分からないワードを把握できる

音読をすると、途中で止まってしまうこともあります。これは分からないワードや表現があるからです。黙読では読めなくても自然と飛ばしてしまいがちですが、声に出して発音し、耳で聞くことで、分からないワードが明確になるのです。意味のかたまり(文章をどこで区切るか)や、国語(現代文)では主に漢字、英語では単語などが明らかになってきます。

音読に使う文章はコピーしておいて、発音が分からなかったところ、読んでみて意味が分からないと気付いたところには線を引いておくと良いです。後から見返すときに使えます。

暗記が必要な単元では、単純に答えを知っているかどうかの他に、問題文で聞かれている内容が理解できているかどうかが大事です。社会や理科の一問一答形式の問題では、問題文を読むことで、問題を解くことに必要な前提知識の確認ができます。黙読で頭に入ってこなかったら音読してみればよいのです。

また、答えを音読するだけでも頭には入るので、後はそれがどのようなものなのかを問題を解いていって結び付けるだけです。

一つの経験として、私は大学受験期である高3の夏に英語で大苦戦をしていました。単語と文法は大体わかっているつもりでしたが、長文が全く読めなかったのです。そこで音読を試してみたところ、成績はみるみる上がり、次の模試では校内順位が二桁のところまで上がりました。ここまで改善されたのは、音読を通して弱点が洗い出されたからだと感じています。音読をして読みが分からない単語・文法に印をつけ、繰り返し読むことが重要です。

また上記の頃は周りの受験生も音読に励んでいて、塾に音読ルームがあったのですがほぼ毎日誰かが入っていて、中々使うことができませんでした。学力をつけたい人にとって、音読が効果的なものであるとみんなが認識していたのだと思います。

勉強のやる気がない時でも取り組みやすい

効率の良さを求めたらキリがありませんが、音読はやり方云々よりもまず読んで回数をこなし、その中で自分に合ったやり方を考えていくべきだと考えています。

とはいえ勉強するのがどうしても面倒で勉強椅子にも座りたくない、と思うときは誰しもにあると思います。そんな時はとりあえず音読をしてみるのも良いと思います。音読は自分で読んで自分で聞けばそれでよいので、極端な話、寝ころびながらでもできます。それくらい手軽です。音読するうちにやる気になって線を引いて繰り返し読んだり、他の勉強もしようと思うかもしれませんし、そのまま音読だけで終わるかもしれません。それでも何もやらないよりははるかに良いです。

とりあえず声に出して読んでみる、というだけで一定の効果が得られることが、音読の優れた点です。

以上、音読の優れた点についてでした。

定期テストの勉強として教科書を音読するだけでも大きな効果が得られます。(特に国語や英語)回数は必要ですが、最初は何となくで良いのです。とにかくまずは声に出して読んでみてほしいと思います。