2019年度滋賀県国語の公立高校過去問を解説

前年度と比べ平均点はプラス1.0で59.6点と、易化していた前年度から難易度は大きくは変わっていません。

滋賀県の国語は記述の問題が非常に多く、読解問題は少し癖が強めですが、対策をすれば高得点を期待できます。

詳しくは滋賀県公立高校国語過去問の傾向をまとめた記事がありますのでそちらもご覧ください。

滋賀県の公立高校 一般入試 国語の出題傾向【滋賀の国語塾】

問題は京都新聞様のサイトよりダウンロードできます。

https://www.kyoto-np.co.jp/list/corporate/high_school_exam

各問の正答率などのデータは滋賀県教育委員会様より閲覧できます。

https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/nyuushi/high/senbatsu/105597.html

それでは詳しく見ていきましょう。

大問1は【本の一部】と【資料】がある読解問題

問1 【本の一部】の波線部①、②について、このように表現することで、何をより明確に読み手に伝えることができますか。最も適切なものを、次のアからエまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。

ア 自在に空を飛びまわるには、鳥の骨の重さを軽くするとともに、飛ぶために必要な筋肉の重さも同じように軽くなっているということ。

イ 空を飛ぶためには、骨よりも筋肉の動きが重要なため、鳥の胸にある筋肉の重さとは反比例して、骨の重さは軽くなっているということ。

ウ からだの軽量化のため、鳥の全体重に対する骨の割合は少ないが、飛ぶために必要な胸の筋肉の重さは軽くはなっていないということ。

エ 鳥が空を飛ぶためには、丈夫な骨と胸の筋肉が不可欠であるため、骨と胸の筋肉の全体重に対する割合はおおよそ同じであるということ。

解説 波線部①「鳥の骨は全体重の5%しかないんです」は、直前の文脈と「5%しかない」と言う表現から、鳥の全体重の中での骨の割合が少ないことを表しています。

波線部②「大胸筋と小胸筋を合わせた重さは、鳥の全体重の3分の1を超えます」は、直前の「鳥はその胸に大量の筋肉を持っています。」「驚くべき事ですが」とあるように、鳥の胸の筋肉の割合は見た目によらず大きいことを表しています。

答 ウ

問2 【本の一部】の傍線部aについて、これはどのような需要ですか。50字以内で書きなさい。

解説 竜骨突起がどのような需要によってできているのかを説明する問題です。傍線部aの直前の内容を読み取りましょう。

答 鳥が胸により多くの筋肉を持つために、胸骨に筋肉がくっつくことができる部分の面積を広げるという需要。

問3 【本の一部】の傍線部bについて、どのようなことが同じなのですか。最も適切なものを、次のアからエまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。

解説 まず何と鳥のつばさが同じなのかを考えましょう。同段落の傍線部の直前で、人間の腕の筋肉を例に挙げて、筋肉は「収縮する」ことしかできないことを説明しています。2つの筋肉を収縮することで腕を上げたり下げたりすることができていて、鳥のつばさも同じと述べられています。つまり鳥も2つの筋肉がなければ、つばさを上げたり下ろしたりすることができないということです。

答 エ

問4【資料】の二重傍線部について、「縦通材(ストリンガー)」が飛行機の機体の強度を高めているように、鳥の骨の強度を高めている役割をしているものを、【本の一部】の文章中から三字で抜き出して書きなさい。

解説 聞かれていることは鳥の骨についてなので、【本の一部】で鳥の骨について述べられている前半部分に注目します。

第4段落2行目に、「こうした構造は、人類が作る巨大な建築物の鉄筋構造などにも生かされているほとです。」とあり、この構造は【資料】の【セミモノコック構造】と合致します。

第4段落1行目の「筋交い」が「すばらしい強さを持っている」とあるので、これを抜き出します。

答 筋交い

問5 【本の一部】と【資料】の二つの文章に共通して書かれていることはどのようなことですか。解答欄の「人間が作り出す巨大な建築物の鉄筋構造や飛行機の機体には、」という書き出しに続けて、四十字以内で書きなさい。

解説【本の一部】第4段落と【資料】第1段落に鳥の骨の構造について、また【本の一部】第2段落と【資料】第2段落に軽量化について共通して書かれています。

書き出しが第4段落の内容と一致し、鳥の骨については前半部分にまとめられているので、注目すべきところは分かりやすいですが、「軽量化」「構造」とまとめられている箇所を両方見つけられるか、指定されている書き出しに合わせて書けるかが難しいところです。

正答率は6.7%と最も低いですが、難易度があまりにも高い、というほどでもありません。

空欄の大きさから後回しにした受験生も多そうですが、文字数は四十字以内と、大問2の五十字以内よりも少なく、本文の内容を組み合わせてまとめることができれば点数は取れる問題です。

答 (人間が作り出す巨大な建築物の鉄筋構造や飛行機の機体には、)鳥の骨の構造や体の軽量化といった鳥から学んだことが生かされているということ。

大問1は読み取りやすい文章で、読み取るべき箇所を見つけられるかが肝になる問題が多かった印象です。

大問2は【本の一部】と【ノート】から読み取る読解問題

問1 あさひさんは、あさひさんのノートに、三歳の女の子が「たがやす」と言った理由として筆者が考えたことをまとめました。(a)に当てはまる適切な言葉を【本の一部】の文章中から二十字で抜き出して書きなさい。

解説 第5段落最終行を読み取ります。

「土を掘り返す動作とぬか床をかき混ぜる動作が『似ている』と思って使ったのではないかと思います。」とあり、【あさひさんのノート】の「(a)が『似ている』から。」の部分と合致します。

【本の一部】を前から順番に読んでいけば、ノートに書かれている内容がおおよそ【本の一部】のどこの内容なのかは分かるので、しっかり前から読み進めていけば間違う事はないでしょう。

答 土を掘り返す動作とぬか床をかき混ぜる動作

問2 あさひさんは、【あさひさんのノート】のbに、「本質的に異なるところ」を、具体的にまとめました。bに当てはまる内容を【本の一部】や【あさひさんのノート】のメモ欄に書いてある言葉を使って書きなさい。

解説 「本質的に異なるところ」とについて書くので、異なっている2つが何であるのかを明確にします。

「耕す」という言葉を例に挙げ、子どもと大人の言葉の使い方が異なっていることが全体を通して述べられています。

具体的に述べられている箇所は、第5段落の傍線部の直後の、子どもは「適切な言葉を知らないので新しい使い方を考え出すというところです。それが、たまたま、大人の耳には素敵で素敵に聞こえるのです。」と、第六段落1文目の、「(プロの文筆家などの)大人のことばの熟練者は、慣習的なことばがあることを知った上で、あえて普通には言わない表現をします。」の部分です。

この二箇所が「本質的に異なるところ」であり、これらを一文に要約すればよいです。

答 子どもは、適切なことばの使い方を知らないので、大人の目から見て比喩と言ってもよいような言い方をするが、大人の言葉の熟練者は、言葉の意味を熟知した上で新しい表現を使うところ。

問3 【本の一部】の二重傍線部について、この文が引用されている意図として最も適切なものを、次のアからエまでの中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 「立ち上がる」は日常で一般的に使われる動詞であるため、比喩的に使ったとしても、詩的な表現にならないことを表そうとしている。

イ 3歳位の子供が立ち上がったり、走りだしたりするという行動の発達の様子を、落ち葉の様子になぞらえて表現しようとしている。

ウ 子供のような創造性のある表現を大人の言葉の熟練者が、自分では意識せずに用いながら文章を書いていることを示そうとしている。

エ 「立ち上がる」という日常で普通に使われる動詞が、熟練した表現者によって新しい表現になっていることを具体的に示そうとしている。

解説 まず前提として、この川端康成の文では子どもは関係ありません。よってイとウはまず違います。

この文では「立ち上がる」という動詞が比喩表現で表されていることを抑えておきましょう。

次の行では、このような表現によって「一瞬が鮮やかに目に浮かぶ」と述べられていて、肯定しているので、アも違います。よって、エを選びます。

答 エ

問4 【あさひさんのノート】の(c)に、「積み重ねた。」を文末に用いた一文を書きなさい。なお、「積み重ねた」の主語を明らかにして、「何のために」、「何を」繰り返し行い、高めていくのかわかるように書くこと。

解説 【あさひさんのノート】の(c)の下のメモ欄に、「②繰り返し行い、高めていく。」とあるので、この意味での「積み重ねた。」ことを自分で考えて書きましょう。

問題文より、「主語(=誰がor誰は)」「何のために」「何を」「積み重ねた。」という順番で書いていきましょう。主語=〜は、〜が、という文法の基本を知っておけば簡単な問題です。

前年度にはなかった新傾向の問題ですが、自分で文章を考えて書くという意味では、自分の意見を述べる問5の前哨戦かのような問です。

解答 私は高校受験のために、自学自習を積み重ねた。

問5 【あさひさんのノート】の「筆者の主張」や「振り返り」を読んで、あなたは、言葉の意味の探究を続け、言葉に対する感性を磨いていくために具体的にどのようなことができますか。次の条件1から条件3にしたがって書きなさい。

条件1 二段落構成にすること。

条件2 第一段落にできることを具体的に書き、第二段落にそのように考えた理由を書くこと。

条件3 原稿用紙の正しい使い方に従い、百字以上、百四十字以内で書くこと。

解説

問題文に従って書けば大枠は考えることができると思います。

第一段落はどのようなことができるのかを考え、(例:読書をする。古典作品に触れるなど)「〜ができます。」と簡潔に述べて第二段落に移りましょう。

第二段落では問5の問題文に書かれている「言葉の意味の探究」「言葉に対する感性」というワードを使いつつ、理由を述べることができれば、より高得点が期待できるでしょう。

大問3は漢字の読み書きで計10問、文脈に合う表現を選ぶ問題が2問と古典の問題が3問

大問3 次の1から4までの各問いに答えなさい。

問1 次の①から⑤までの傍線部のカタカナを漢字に直して書きなさい。

 ①寒さで体がえる。 

 ②絵をテンラン会に出品する。 

 ③ハワイから日本まで太平洋をコウカイする。 

 ④無駄な手間をハブく。

 ⑤彼はわたしの頼みにナンショクを示した。

答 ①冷 ②展覧 ③航海 ④省 ⑤難色

問2 次の①から⑤までの文中の傍線部の漢字の正しい読みをひらがなで書きなさい。

①ペンを拝借する。

②洗濯した衣服をす。

③誕生日をう。

山頂を目指す。

炭酸水を飲む。

答①はいしゃく ②ほ ③いわ ④さんちょう ⑤たんさん

問3 次の①と②の文で、それぞれ最も適切なものを、( )の中のアからエまでの中から一つずつ選び、記号で答えなさい。

① 彼がこの本に興味を持ったのは、(ア とっくに  イ もしも  ウ おそらく  エ なくなく)友人の影響だろう。

②今度の音楽会に人がどれだけ集まるのか、(ア 勝負  イ 見当  ウ 条件  エ白黒)がつかない。

答 ①ウ ②イ

問4 次は『枕草子』の【文章の一部】とその【現代語訳】です。これらを読んで、後の①から③までの各問いに答えなさい。

【文章の一部】

夏は□。月の頃はさらなり。闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。雨など降るも、をかし。

【現代語訳】

夏は□。月の出ている頃は言うまでもない。闇もやはり、蛍が多く飛びかっている(のがよい)。また、ほんの一、二匹が、ほのかに光って飛んでいくのも、趣がある。雨などが降るのも、趣がある。

①【文章の一部】の中の傍線部「飛びちがひたる」を現代仮名遣いに直し、全てひらがなで書きなさい。

②【文章の一部】の中の□に当てはまる適切な言葉を漢字一字で書きなさい。

③この作品と同じ「随筆」に分類できる作品として最も適切なものを、次のアからエまでの中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア『徒然草』 イ『竹取物語』 ウ『万葉集』 エ『平家物語』

答①とびちがいたる ②夜 ③ア

古典の問題が前年度と比べ1問増えていますが、難易度に大きな変化はありません。

以前の年度と同じく普段から定期テストをしっかり取り組めていれば満点も容易でしょう。特に漢字や文脈の問題は、入試直前に漢字の勉強をするのではなく、日頃から活字に触れておいて、試験には普段から見慣れている漢字ばかり出題されているという状態になるのが理想です。

まとめ

以上が2019年度の滋賀県公立高校過去問国語の解説でした。

前年度と同じく、文章をしっかりと前から順番に読み進ながら解いていけば難易度は決して高くありません。

しかし、限られた時間の中で本文と資料orノートを読んで、2つを読み比べたり、要約したり、どの記号が正解かを読み取ったりすることは日頃から同じ形式の文章に慣れておかなければ難易度が高いといえます。